バッタ毛鉤とハリガネムシ
先日の釣行で、ハリガネムシとバッタの小渓における大きなエネルギー源になっている事を感じる事が出来ました。
秋の乱喰いと言いますが、その実際は何でもたくさん食べるのだと思っていましたが、そうでは無かったのです。
前の釣り人に「寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流の解明」の掲載がありました。
この研究よると、アマゴやイワナ(河川性サケ科魚類)の全餌生物から摂取するエネルギーの内、なんと60%ものエネルギーをハリガネムシに行動操作されたカマドウマやキリギリス、コウロギなどの陸生昆虫から得ていると言う結果です。
ハリガネムシが、成虫になって寄生した宿主を行動操作して水辺を目指すのも秋(9~10月)。
この前も、川辺で、イナゴのようなバッタやキリギリスを見つけました。捕まえて腹部を水につけるとウネウネと出て来たのかもしれませんね(汗)次回、釣行時は実験してみたいなと思っています。
秋の乱喰いですから、来るもの拒まず、毛鉤も流し方さえ決まっていれば、ほとんど何でも良いものと思います。
その中でも大きく栄養価に優れているモノの方が良いと感じました。イコール、バッタ系の毛鉤です。
左)キリギリスやイナゴを意識した毛鉤。
Gamakatsu S11-2L #8に、アブドメンにチャートリュースのヤーン1束をフワッと巻き付け、アンダーウイングとしてブリーチ,チャートリュースのディアヘア、その上に薄くナチュラルのエゾシカヘア、レッグにグリーンダイドのエルクヘア、ヘッドとウイングにチャートリュースのディアヘア。
右)コウロギなど黒系のバッタを意識した毛鉤。
Gamakatsu S11-2L #10にブラックダイドのグースバイオットのテール、アブドメンはシルクスレッドの黒でこんもりと、アンダーウイングにブラックダイドのエルクヘア、その上にナチュラルのエルクヘア、ブラックのサドルをハックリングして、ヘッドとウイングにブラックダイドのエルクヘア。
先日の釣行で22、3cmのヤマメから採取できたバッタの頭や足の一部から#4や#2といったサイズ感でしたし、実際のキリギリスやコウロギはもっと大きいです。この辺りのサイズで作ってみた所が攻め切れてないです(大汗)
バッタ系のお尻から針が出ているあたりも、丁度ハリガネムシが出て来ているようで◯ですし、暗い時間帯にダイブする事が多いでしょうから、チャートリュースは視認性も良くて重宝するかもしれません。
これに、大きいのが、ガバッ!と出てくれると◎!!!
小渓でも魚が大きく育つのに、間接的に関わっているハリガネムシ。針葉樹の多い所では、「ハリガネムシ→カマドウマやキリギリス(終宿主)→渓魚」のサイクルが失われ、大きくならなかったり生存できなくなってしまったりするそうです。
こう言う事も含めて小学教育くらいから取り入れれば日本の渓を取り巻く環境も変わるのではないかと思ったりしますね。
台風が接近しています。大水で雪崩の倒木が一掃されて欲しいような欲しく無いような・・・何事も無いのが一番いいな。