魚の左右性と釣りに思うところ。

人に右利き左利きがあるように、魚にも右利きと左利きが存在し、魚類の「左右性」と言います。

<右利きの場合の特徴は↓>
  • 左回りで方向転換する。
  • 捕食する時に左に身体を曲げ、反転する行動を取る。
  • 正面や下から見ると下顎が上顎に対して左に少しズレている。

などが挙げられます。これらの反対が左利き魚の特徴です。

渓魚に関しては、左回りで捕食行動を取る魚が多く見受けられるので右利きが多いものと思われます。
養魚場や生簀、ポンドの魚達もやはり左向きにグルグルと回遊している光景をみたことがあるでしょう。

右利きなのに左向き?と言うところは、人間の場合、右利きの人が利き手でパンチすると身体が左に曲がるのと同じ現象です。

定位している場所にも特徴があるようで、ポイントを構成する要素にもよるでしょうが、左へカーブして行くようなポイントでは、流れ出しから反転流になるところ、ブッツケにかけて満遍なく多くの魚が定位しているように思います。
反対に、右へカーブして行くようなポイントでは、流れが真っ直ぐになる部分から流れ出し付近には定位していてもブッツケになる部分や反転するカーブした部分に着いている事はかなり少ないと感じがています。(いるけど釣れないだけか?)
これは、釣れたポイントの構成や捕食動作の特徴、外見の特徴についてより一層の観察が必要なところでしょう。

先日の釣行で唯一右へカーブするポイントで釣り上げた左利きと思われるヤマメ↓。
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常に写真のように右方向へ身体を曲げる動作をしました。下顎も若干ですが右にズレているようです。
この、魚の「利き」の部分からも、左利き、左キャスト(竿の操作も)が有利と言われる所以があると感じずにはいられません
捕食された小魚を取り出し調べてみると「右利き利きの場合は左利きの小魚を、左利きなら右利きの小魚を圧倒的に多く食べていることが明らかとなった。」と言う研究結果もあるほどです。
右利きの渓魚が多いので、左利きで流す毛鉤は、やはり捕食しやすいのでしょうか。また、捕食動作以外にも、警戒や回避行動にも関係あるでしょう。
飼育中の熱帯魚を観察していると左右両方向に旋回しますが、そのスムーズさに差がありますね。

魚類の左右性と釣りは、科学的に解明もされていないでしょうし、そもそも釣り自体に得なことがあるのかすらわかりませんが、こんな事を考えながら釣るのも、また一つ良い釣果に繋がると信じています。