2015 イタリア釣行日記 7

<つづき>

ポー川源流横を歩いていると半袖では寒い!

曇っているときは10度くらいだろうか...青空が顔を出して陽が差していると30℃にも感じる暑さ!ジリジリと焼かれてゆく感じ(汗)この体感温度差ときたらもう…(大汗)

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ポー川といえば、下流のトリノの辺りで255cm127kgのヨーロッパ大ナマズ世界記録が釣られた事も記憶に新しいですね(驚)

2年前と4年前に訪れたヴァル・セズィアを流れるセズィア川も支流の一つで、アルプスから流れる川は、ポー川へと流れ込み、ヨーロッパでも最大規模の農産地域となっています。

その最源流は、水もとても綺麗な高原地。熊もいなくて安心と思いきや、絶滅した(させられた)アルプスオオカミとは別種の、イタリア中部辺りにいるオオカミの生息域を拡大するプロジェクトにより、現在ではアルプスのほぼ全域に生息していると言うではありませんか!元々いたオオカミよりも小型だから人を襲う事は無いそうですが…

オオカミが戻った事によって、羊や孔牛などに被害が出ているそうですが、そこは政府が一頭毎に保証してくれるそう。それよりも、増えすぎて問題となっている、野生のイノシシ、シカ類、ウシ類が減り、農作物の被害が少なくなった上に、生態系のバランズが改善され、何かと良い事ずくめだとか。河川への大腸菌などの流入も減少しているでしょう。日本にもニホンオオカミがいましたが絶滅させられましたね。今では、増えすぎたシカやイノシシに猟師の数が足りないと言うし、獲ったところで、ほとんど消費されていないと言うし…自然の生態系を機能させることを最優先に考えれば…と思うのは自分だけではないはず…日本人のほとんどは自然が嫌いなようで残念です…

さて、一時間ほど歩くと入渓点に到着。

仕掛けをセットして、水温を計ると7℃!!!???もう一度、水温計を沈めて計ると、やはり7℃!!!足を水に浸けると、冷たい!!!

パオロさんに水温を伝えると、驚いた表情から渋い表情を浮かべBHニンフでスタート。

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こちらは、昨日のアタリ毛鉤で様子を見てみるも、アタリどころか、基本的に岩陰にいるにしても、生命感が無い(汗)

釣りあがって行くと、急斜面に避暑放牧中の牛達が気持ちよさそうに草を食んでいました。(大人の牛は、オオカミに襲われないそう。)

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毛鉤をローテーションしながら、様子を見てみましたが、全く反応を得られません。沈めているパオロさんは、一度だけバイトがあったそう。やはり、超低活性のようです…

7月の後半は、連日40℃、7月に入り35℃、ヴァル・ヴァライタに行く数日前より、連日のテンポラーレにより山の頂上付近の降雪と、急激な気温低下により、水温も15℃前後から急激に下がったと思われました。

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あの手この手で、沈めたりしながら攻めてみますが、一行に得られない反応に、遂に、BHやレッドワイヤーを巻き込んだ毛鉤を解禁! 

さらに沈めるため、タングステンの粘土オモリを毛鉤から20cmくらいのところに付けて、出来るだけ深場て水通しの良さそうなエゴに長く見せる様に流すと、ようやく待望の1尾目!

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この間に、パオロさんも1尾釣れました。

ここのブラウントラウトは、朱点がありません。この辺りのブラウントラウトの原種ようです。元々の名前は「サルモ・トゥルッタ」、イタリア語で「トロータ」と言い、ヨーロッパからアメリカに渡った人々が、元々アメリカにいた鱒に似た魚をトゥルッタやトロータと呼んでいたことから英語で「トラウト」と言呼ばれるようになったらしいです。

サイズは、20cmそこそこながら、こんなに厳しい環境下でよくも生活しているものだと感心してしまいます。

ところどころ、地下から湧いてくる水でも、特に暖かいところがあり、それが小川を形成しているところでは、ときより良型が入って来ると言うことで、小川を偵察。

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足を浸けると確かに暖かく、水温を計ると12℃。しかし、いつもなら16℃くらいはあるらしい。以前の釣行で、小さなポイントながら、良型を連発したと言う小さな窪みがあり、慎重に探ってみるもお留守。パオロさんが「ストラーノ…」(おかしいな)と言いながら中に入って、隠れられそうなところを足で突いても、走りもしない…やっぱり居ないようでした。

支流の小川を探りつつ、雲行きが気になります。

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 支流の小川には入っていないようなので、本流筋を釣り上ります。パオロさんが2尾目!やはり、かなり沈めているようでした。

真冬や解禁直後の、口元に届けてあげる釣りで、ようやく2尾目!

写真では上手く撮れませんが、キラッキラしていて、とても綺麗です!

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少しづつ、ゴツゴツと、荒々しさを感じる渓相に。もう少し登ると、予定していた湖があるそうですが、いよいよ、モンビーゾの頭が見えるところで、迫り来る黒い雲がはっきりと見えました(汗)

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魚の活性も思わしくなく、天候も思わしくないと言うことで、もっと下流を釣ろうと言う事になり退渓。そして下山。

歩きながら、「こう言う↓綺麗に丸裸で残っている木々は、落雷によるものなんだよ。そして、モンビーゾの辺りは鉄が多く含まれているから、雷が落ちやすいんだ。」と。

こんな原っぱで、それは危ないでしょ!先を急ぎましょう!

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途中で会った牛飼いの方は、傘を持っていたけれども…

下山途中に、キリギリスを発見!腹がパンパンで、もしや!?と水に浸けてみるも、普通の抱卵個体でした。アルプスでも、こう言った大型のバッタ類は、魚達にとって、高カロリー食として重宝されていることでしょう。(急いでいたので、ハリガネムシについて話すのを忘れてしまいました。)

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歩きながら、次第に暗くなり、雲に包まれていきました。

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駐車したところまで戻ると、昼食タイム。

皆で、買ってきた、美味しい生ハムとチーズ、パンでパニーノを作り、ペロリと2個もたいらげて、後半戦へ!


<続く>