少し突っ込んだキャスティング1。
少し突っ込んだキャスティングを書いてみたいと思いましてね、復習も兼ねまして書いてみたいと思いましたよ。
「ラインの軌跡」
下の(図1)は、緑の線がナローループ(幅の狭い)と、赤の線をワイドループ(幅の広い)で示してみましたよ。
(図1)
常にナローループで投げたいわけですが、TPOに合わせてワイドループと使い分けられると良いですな。
どちらのループもですね、上下のラインが真っ直ぐで平行に出来ることが理想で、よりナローループですと、風にも負けない力強く、美しく、ピンポイントなキャストが可能になりますよ。
キャスティングは、よく時計の文字盤を例にされてまして、12時→2時の間で振りましょう、そして、新体操のリボンのように自分の上に円を描いて、少しづつ楕円にしていく説明がありますね。
次の(図2)を見てください。赤線は、竿のストップ位置で緑の線は竿先とラインの軌跡を表していますよ。
(図2)
ラインの軌跡はですね、新体操のリボンのように先端の軌跡に追随しますので、竿は振ればしなって、ラインを引っ張る重さによって、更にしなりますので、11時→1時の間の竿先の軌跡がですね、竿にテンションがかかりながら曲がりまして、緑の線のように真っ直ぐになるように意識しますと、真っ直ぐ水平で平行なラインの軌跡となりましてね、ラインに乗ったパワーをロスすることなく、力強いキャストが可能になるんですよ。瞬間的に力が加わった場合ですとね、竿先がポヨンポヨンとしまして、その竿先の動きが反映されてグニャグニャして、力のないラインが飛んでいきますので、ジワリと少しづつ加速するイメージでバックストップとフォワードストップまで持っていきたいですよ。12時を中心としまして、前後同じ振り角となる事がとても大切ですな。
次の(図3)は、よくキャスティングの説明である12時→2時の場合ですね。
(図3)
1時を中心に、(図2)と同じ事が起こっているわけなんですがね、この場合ですと、バックキャストで後ろに伸びていくラインが上方へむかっていきますので、後方上部に枝などの障害物があると引っかかってしまいますよね。
この障害物をあまりに意識してしまいますと、思い切り良くバックキャスト出来なくなりまして、フワフワフワッと力が抜けてしまったように大きな形の歪な円となって飛んでいきますのでね、結果としてフォワードキャストへ上手く繋げることができずに、ヘナヘナの弱いキャストになってしまって狙った所に上手くキャスト出来ない原因にもなりますよ。
上方に障害物がある時はですね、バックキャストをしっかりするためにもスリークオーターからサイドへキャストへとキャストの面をですね、斜めや横へと変えることで、上方の障害物を回避しながらビシッと狙ったポイントへキャスト出来るようになりますよ。
実際はですね、ストーキングのためにしゃがんだり、段々になった所を攻めるために水面への投射角が変わってきますので、次の(図4)のように調節します。
(図4)
1分の所を中心としまして、前後の振り角は変えずに、その中心となる部分の角度を変えることで投射角を調節するようにします。こんな感じでですね、時計の文字盤を意識するといつでも同じキャストが可能になると思いますよ。
「ループのできかた」
キャスティングにはいろいろなスタイルがありましてね、釣り場環境や人によって変わるわけなんですが、基本の部分は同じで、手首や肘を中心にキャストする人や肩を中心にキャストする人など様々です。
(図5)では、イケアくんをモデルにしましてループのできかたと調整方法について書いてみますよ。イケア君は、関節が硬くてですね、あまり曲がらないのはご愛嬌ですな。
(図5)
キャストの支点をどこに持ってくるかは、人それぞれなんですが、この場合は肩としまして水色の◎で示していますよ。
キャストする時は、手首、、肘、肩と稼働ポイントが3点もありましてね、すべてを動かしてのキャストはあまり正確に行うことができませんので、練習の時はですね、手首と肘は固定して肩の回転のみでキャストすると感じが掴みやすいと思いますな。
イケア君も、肩を中心にですね、手首と肘を固定して、(図1)の11時→1時の間でキャストしていますよ。
この時にですね、緑の線で示した肘の位置に高低差が生じているんですが、これによって竿先の軌跡にも高低差を生じさせましてね、これがキャスト時のループの幅になっているんですな。この上下の動きが、ワイドループとナローループを調節するところになってますよ。
もしもですね、上下の差が全く無く等しい状態でのキャスティングは、ラインが前後全く同じところを通るので、ライン同士がぶつかってしまうことになってしまいますよ。
次に、赤点で示した竿を握る手の位置を見てください。
青線で示したように、前方へ移動してますよね。これが、ラインに推進力を与えていますよ。この横の動きは、ラインが長くなる程に、長くとってやる必要がありますが、竿の全長の2倍以上もあるような時や、竿に対して軽すぎるラインでなければ、それほど意識しないでも問題ないと思いますな。
そしてですね、この横の動きをストップ位置で、しっかりバシッと意識して止めますと、よりしっかりとしたラインを飛ばす事が出来るようになりますよ。
まとめますとね、
・ラインの描く軌跡は、竿先の動きを反映する。
・竿先は、直線を描くように振る。
・前後の振り角は同じにする。
・ループの幅は、竿先の上下の差で生じる。
・横方向の動きでラインに推進力が生まれる。
・竿は、しっかりと明確にストップ動作をする。
と言う事になりますな。
自分自身のキャスティングもまだまだ発展途ではありますがね、もっとピンポイントで正確なキャストをしたい方や綺麗なループで投げたい方、どんなラインでも投げたい方々の参考になればと思いますなぁ。