剣羽根ゼンマイ胴。<Kenbane Zenmaidou Tying Movie>
今回は、「剣羽根ゼンマイ胴」のタイイング動画です。動画は、下段↓↓↓の方に貼り付けました。
先ずは、<剣羽根>について。
・剣羽根は、羽根の翼角に生える小翼羽の一番先端で、「剣」のような形をした羽根です。丁度、人で言う親指に当たるところで、着陸時にとても大切な役目があります。
・その風切り羽根などに代表される羽根の各部名称です。
(青線→で示した前縁(Leading Edge of Wing)は、翼の翼角側(前方)です。羽軸(Shaft or "Quill")から生える全体を羽弁(Vane)と言い、前方側を外弁(Outer Vane)、後方側を内弁(Inner Vane)と言います。羽軸から生える一枚一枚を羽枝(Barbs)、 更に、羽枝から生える一本一本を小羽枝(Barbules)と言います。この小羽枝の先が、鉤爪状になっているため毛がくっ付いたようになっています。
羽柄(Quill) は、フライタイイグでは「Stem」と言われ、綿羽(Downy Barbs)は、「Fluff」とも言われます。
・使うのは雉の剣羽根。毛鉤釣りで剣羽根と言えば、ほぼ100%雉を指しています。一羽から一対しか採れない羽根です。雉のコンプリートを購入しても抜き取られていて付いていることはほとんどありません。
・剣羽根は羽軸から割いてつかいますが、外弁と内弁では長さが違ったりします。更に、硬さが違います。外弁の方が硬く張りがあるので、本来、こちらのみが使われます。しかし、そんな勿体無い事は出来ないので両方使います。釣果に差は感じません。左右翼でも内外弁が逆になる事にも注意が必要です。本来の回転方向で巻けない時は、逆に巻くか、途中から左利き仕様に切り替えて巻く必要があります。左に切り替えた方が仕上がりは綺麗にできます。
この時、下から上に一方行に行います。
これで、下拵えが完了しました。ぬるま湯に数分浸け置くと更に柔らかくする事が出来ますが、巻きやすさに然程の違いは感じません。
それでは、伝承系の最終兵器とも言える「剣羽根ゼンマイ胴」のタイイング動画をどうぞ。
<マテリアル>
- Hook→Gamakatsu B10-S #12
- Thread→veevus 8/0 Brown
- Abdomen→ゼンマイの綿毛 Japanese Flowering Fern (Osmunda japonica Thunb.)
- Hackle→剣羽根 Leading Edge of Alular Quill of the Hen Pheasant .
The Kenbane Zenmaidou Tying. - YouTube
タイヤー目線のアングルで撮影してみました。タイヤー目線というのは、なかなかに難しいものですね。「剣羽根ゼンマイ胴」を巻く時の参考になればと思います。