苦しい展開の先で。

前回釣行から4日後のこと、また同じ渓へ出掛けようと、毛鉤会のナベさんと計画していました。当日に迫るにつれ、天気予報が雨となってしまい、天気図や雨雲の動きを見ていると、目的地付近の山の辺りは強い雨が予想されたため目的地を変更。

前回のバイク走行中、思ったよりも寒かったので一枚づつ多く着込んで、手袋も同行の波平女史より教えていただいた、防水手袋を装備して出発!雨でも快適に2時間程走ると集合場所のゲート前に到着しました。

準備を済ませて歩き出すと霧に包まれた幻想的な景色の谷が迎えてくれます。

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入渓すると、いつもライズの見られるポイントですが、ライズありませんねぇ、なんて話しているそばからパシャ!とライズ。ライズの主と小さいながらも幸先良く釣り上げて好発進!

と、思いきや生命感に乏しく、感じがつかめなくて難しい展開になり、今年伸びて、雨で濡れ、垂れ下がった枝がキャストの難易度を上げていました。

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ナメっとした感じの川底部分は、茶ゴケと相まって、ラバーソールではとても滑り、手掛かりを見つけながら慎重に遡行しました。フェルトソールシューズ使用のナベさんも滑ると言っていたので、どちらにせよ細心の注意が必要です。

"テンカラは足で稼ぐ"と言われるように遡行スピードも自然と早くなり、時間、場所共に良くなってきた事もあってか、綺麗なヤマメが釣れ始めました。

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天気予報では、曇時々雨だったのに反して、晴れ間が見え谷間に陽の光が差し込むと、気温も一気に上昇して、虫が活発に飛び始め、ハルゼミの声もしてきて、量型をポロリとしてしまい半身濡れたりしつつも、釣果と共に雰囲気は最高潮に達しようとしていました。

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倒木の絡む、いやらしいポイントに良型を発見し、でも尺は無さそうですね?と話しながら、流れ込みに枝、手前に倒木と、ヒットしたところでどちらかに走られたら逃げられてしまうだろうし、ランディングも油断できないと、ポジションとっての第1投。いつも見える魚への第1投は、魚が見ている中に突然毛鉤を入れると驚いて逃げられることが多いので、横へ少し離れたところに毛鉤を入れて、自発的に見つけさせるようにしていますが、これは無反応。追わなくても少しでも反応すれば、フィーディングの範囲から離れているとして、より魚に近いところへ毛鉤を通してやるようにしていますが、これでも無反応。次に魚の定位するレーンに毛鉤を通してやると、スーッと浮上してきて喰った!

普通のランディングはできないだろうと抜き上げる態勢で、強引に引き上げようとするとバシャバシャ!っと、とても重く「で、デカイ!」などと、何か言っていたとおもいますが、平常心を保つようにして抜き上げて無事にネットイン!

平常心を保とうとしても、やはり無理!計測前から手足がプルプルと震えてしまいながら、撮影床をつくり魚体を横たえると、やっぱりデカイ。

ナベさんにメジャーで計測していただくと、自己ベスト更新の35cmもありました。

手足もプルプル、心臓もドキドキして「うぉー!」とか叫びたい気持ちを抑えるのに必死でした。

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ナベさんと行くと尺上が釣れるらしく「尺釣らせ屋」の称号があるそうです。

その後も被りと言うよりも、森の王者が現れそうな"密林"を釣り上がって退渓にしました。

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ハルゼミの抜け殻があちらこちらでみえて、初めて成虫の飛行を目撃し、死骸も目撃することができました。

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ナベさんが発見したランカーサイズのヤマカガシを捕獲しての観察。全長を計測しているとネズミを喰っているのかな?と思うカオリが…

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今回の釣行は、耐え忍ぶ展開から新たな発見、反省があって、自己ベストを更新できたり、いろいろ良い経験ができました。

同行させて頂いたナベさんに感謝です!