スレマスは、本物水棲昆虫の動きを意識して釣る。
魚を上手く釣り上げるうえで大切な要素には、「1にアプローチ、2にキャスティング、3に立ち位置、4に釣り方、5で毛鉤」となります。1.2.3は、同等に大切にしなくてはならないと考えています。
釣り方については、ナチュラルドリフト(流れに任せて流す)と誘う(毛鉤を操作する)という、二通りが考えられます。
だだ誘うと言っても、この中には様々な誘い方がありますね。
大きく分けると
- 横の動き→扇引きや逆引き、トゥイッチなど
- 縦の動き→シェイクやリフト&フォールなど
先日のTTCで開催された、名手を偲ぶ会の時に大物2尾釣り上げる事に成功し、その時に使った毛鉤は、がまかつL10-3H#8に巻いた大きなヘンフェザントテイルのニンフタイプとタングステンBHにタングステンラバーを仕込みS11-2L#6に巻いた撃沈ウーリーでした。
やはり大物には、大きい毛鉤と言うのが第一です。
既にFacebookにアップしていますが、粘って#8のニンフタイプを使いなんとか釣り上げた50upの1尾目。写真を撮っていると消化されかけと、まだピンピンで泳ぎ去った稚魚を吐き出しました。毛鉤のサイズ的には小魚に見えなくもないか。
撃沈の#6ウーリーで釣り上げた、こちらも50upの2尾目。
(foto by tokujiro)
どちらもヒレもキレイでGOODコンディションです。
これらの大物は、一度は釣り上げられ、その後もルアーや毛鉤を幾度となく見せられて、釣られて、少しは学んだであろうスレている魚でした。
1尾目は、淵の二つの流れがぶつかる流れ、Y字パターン(「Y」と言うより「⊥」)の交差した右側の底に定位し、時より何かを捕食する為か、中層に浮上する動きを見せていました。
2尾目も、深く流れ込む真下に定位して時より移動する姿を見せていました。
どちらの魚に対しても、先ずは、ナチュラルドリフトを心掛けて、流してみました。次に、定位して居る層へ送り込んで見るも反応してくれません。そこで、誘ってみるわけです。
流速や水深、流れる筋を観て毛鉤を打つ場所を決めて、魚の定位する層まで送り込みます。魚の定位する位置の前には、毛鉤が定位する層、レーンに到達していなくてはなりません。
ここから、先ずは、竿先を上に持ち上げて、下ろしてを繰り返すリフト&フォールをしてみます。次に、細かくリフト&フォールを繰り返すシェイキングに切り替えてみます。(リフト&フォール、シェイク共に、弱った小魚の動きを意識します)
ダメなら、魚の頭を過ぎた辺りまで送り込んだら、スーッと逆引きしてみます。さらに、同じように送り込んだらトゥイッチしてみます。
これでもダメなら、送り込む層を魚の定位する層より、上、または下にしたりレーンを変えてみます。ほとんどの場合、魚の定位する位置より下層から始めた方が良い結果に繋がりますね。
何れも、毛鉤をローテーションしたり、ハリスを一つ細めにしたりしながら攻略します。
1尾目は、こうしてかなり粘って、ウエイト無しの#8ニンフを頭の少し前に毛鉤先行で深く沈め、フワッと浮き上げたところが、ちょうど口元くらいになるように誘った結果、やっと喰いついてくれました。
2尾目は、魚の定位する流れ込み最深部の少し横の底まで、撃沈ウーリーを沈めて、上に向かって縦方向のトゥイッチを仕掛けたところ、白泡下に定位していた魚が、グワっと浮上し喰らいつかせることができました。
やはり、管釣りでも自然渓流でも、スレている魚というのは、ルアーや毛鉤で釣られた魚で、横方向の動き、縦方向の動きに対してかなり神経質になっているものが多いです。
しかし、そう言った魚も今回のように一度底を取り、フワッと浮き上がる動きに対しては高反応を示す事が多いです。これを誘いの奥の手よのようなものとしています。
ハッチするために水面を目指す、不意に流される水棲昆虫を彷彿とさせ、思わず口を使ってしまうのでしょう。
そして、#8や#6の撃沈仕様の毛鉤は小渓でも常に持ち歩いています。20cmそこそこのヤマメがアタックしてきたりします。サイズが大きければ針掛かりするでしょう。一般河川か管釣りか、相手がニジかヤマメかも関係ありません。(無いようなところで練習しているから?)
今回釣ったパターンをはじめ、本物の水棲昆虫たちから学ぶ事は、その容姿だけではなく、行動や動き方ではないかと思います。
そうすれば、毛鉤の容姿に拘らなくても高釣果に繋がると思います。
しかし、毛鉤の容姿には自己満の極みがあるので疎かには出来ませんが(笑)