左利きはダメなこと?

からふる王国のブログに「箸」の話題がカキコされていました。ヘェ〜!と思いつつも過去の「苦い思い出」と言うよりは「トラウマ」も思い出してしまいました。

もともとは、完全な左利きだった自分は、幼少の頃に矯正させられていました。もちろん保育園でも指導され、小学生になると、低学年の時に「箸」を使った豆摘み大会があったのです。ルールは右手で箸を使い、たくさんつまみ取った人が勝ちと言うもの。左利きだと申告しても全く受け入れられずに強制的に右で持たされて、一個しか取ることができなかった屈辱の経験など、いろいろと辛い事がありました。そして今では、変に両利きです。

その後、いろいろと不便があり、調べて見たことがあります。その中から左利きの矯正について書いてみます。

日本の左利きの割合は、第二次世界大戦前は約7%、現在は約12%だそうです。

子供の時に行う利き手の矯正は、利き手を使わせないようにして、強制的に非利き手を使わせるようにすることを指しています。一般的に、ペン類や箸を左手で使っているのを右手で使わせるようにすることです。

矯正の方法としては、左手を使おうとするところを、体罰や固定したりと、なんらかのかたちで全く使えないようにし左手を使えないようにします。

つまり、左利きの左手を使おうとした時に、痛みや不快感、精神的苦痛を与え、左手を使う事はいけない事だと覚えさせるのです。すると、徐々に左手を使う事を少なくし、最終的に左利きから右利きとなり、両利きもうまれます。

では、なぜこのように左利きを右利きに矯正させるのか?と疑問に思ってしまうところです。

先ず、第一に、宗教の教えによることがあります。日本の宗教で、左手と言うのは、「不浄の手」や「悪魔の手」などとされているからです。

第ニに、この世界が右利き用社会にできているからです。日本語、電車の改札、大型の機械、車、キッチン、ハサミ、包丁、などなど、ありとあらゆるものが右利き仕様に出来ているため、左利きの人は生活しにくいので、利き手を矯正しようと考えられているのです。

ですが、左利きを矯正させるべきではないと言う事があります。自分は、左利きを矯正させるべきではないと思っています。持って生まれたものを「人工的に」変えるべきでは無いと考えているからです。

理由として、無意識的に左手を使っているからにもかかわらず、なぜ左手を使っているのかを考えてみたとときに、ただ単に左手の方が使いやすかったからであり、無意識のうちに自分は、左手を使った方が色々な事を上手くできると分かっていたからです。

しかし、何も知らないであろう親や教員は、右利き社会に対応するためと言う理由などにより、使いにくい右手を使わせるのは、子供にとって非常に大きなストレスを与えていることに気づいていないのではないかと思います。

子供の時の脳は、右手を使う事はストレスがたまり嫌な事だと思います。そして、右手を使う=ストレスの溜まるものと判断してしまいます。その後、いろいろな弊害や障害を生じる可能性があると言うことで、利き手の矯正はさせるべきではないと考えました。

日本は最近でこそ、利き手の矯正はよくないと言われるようになりましたが、外国では、80年ほど前から、左利きを無理やり矯正させると、様々な問題があると言われていました。

それは、てんかん吃音になる、とっさの時に左と右がわからなくなる、鏡文字を書くようになるなどです。自分も小学3.4年頃まで左右に戸惑っていました。そして、今でも極たまに…鏡文字でも左右真逆でもなんでもごされ状態です。

てんかん吃音については、利き手の矯正によるものではなく、左利きを無理やりに矯正させる時に、叩いたり、怒鳴ったりすることによる、心的なストレスが原因と言われます。

また、とっさに左右がわからなくなるのは、最初に右は箸を持つ手だと教えられるからです。しかし、自分では左で持ったり、親からは右で持たされるので、右と左がわからなくなってしまうのです。

そして「クロスドミナンス」と言うのについてです。

これは、動作によって、利き手を使い分ける事です。例えば、自分のように箸を持つのは左、文字を書くのは右などとと、それぞれの動作で利き手が違う事を意味しています。

クロスドミナンスは、英語で「cross-dominance」と書きcrossは、交差とか交互の意味で、dominanceは、権勢、優性、支配の意味です。つまり、クロスドミナンスは、「支配」が交互に入れ替わるから、利き手が状況によってコロコロ変わるという意味で使われています。

ちなみに、このクロスドミナンスの割合が多いのは、アメリカやイタリアです。キリスト教カトリックでは、日本の宗教と同じように左利きに対してネガティヴなイメージがあり、矯正の対象となっていたためです。今は、全国民の3.4割が左利きなのだそうです。自分がイタリアに言った時は、会う人会う人に必ずと言って良いほど「お前左利きか!」と言われます。

クロスドミナンス=いわゆる両利きになることは、難しいことではないようです。

どんな事でも良いので、非利き手を使えばよいのです。とりあえず、身近で簡単に出来る事から始めます。左手でスマホを使うや左手で歯を磨くなどです。そしてキャストの練習もです。利き手のイメージを鏡で見ているように実践し、少しづつ利き手に近づけて行きます。

右脳と左脳の役割について、一般的には右脳は空間認知、左脳は言語処理を担っていると言われています。この事についても利き手と重要な関係があります。言語脳において右利きの人の90%以上は左脳にありますが、左利きの人の60%が左脳にあり、40%の人が右脳にあるのだそうです。

もし、脳に損傷を受けた場合、左利きの人は左右どちらの脳の損傷でも失語になり、右利きの人は左脳の損傷でしかならないということがあります。これなら右利きの方が良いのですが、回復具合では、右利きの人は25%程度で、逆に左利きの人は75%くらいの回復が見込めると言う研究結果もあるそうです。もし滑落してしまったときに…恐ろしいので考えませんが。

言語に関しては、右利きの人は左脳に集中しているので、一度左脳が損傷すると回復する確率が低く、逆に左利きの人は左右脳を使うので、仮にどちらかが損傷しても、回復する可能性が高いということになっているようです。

 釣りにおいては、右利きの人が多いので左利きは有利だと言われます。右利きでは攻められないポイントなどあるからと考えられますが、それだけではないように感じています。

魚が毛鉤を咥えてからの反転が左回転が多いのにも理由がありそうですが…今季は、この辺りも観察して釣りたいと思います。

対魚については左利きが、むしろ有利なのではないかと思うのです。